挨拶
会長就任のご挨拶
会長 亀山佳明(龍谷大学)
この4月から、伊藤前会長の後を受けまして、日本スポーツ社会学会の会長を務めさせていただくことになりました。慣れない身ですが、2年間よろしくお願いいたします。
今、スポーツ界は大きな曲がり角に来ていることが、いろいろな報道からうかがえるように思われます。まさにスポーツは社会を映し出す鏡であることを改めて確認せずにはいられません。たとえば、産業界の不況はもろにプロ・アマ・スポーツの両世界に大きな影響を与えています。小生が特に注目したいのは、アマ・スポーツ界が前例のないほどに、数々のスキャンダルに見舞われ続けていることです。これまた枚挙にいとまがないのですが、京大のアメ・ラグ部に始まって、同志社大・関東学院大のラグビー部、はては奈良産業大の野球部の不祥事に至るまで、事例については数え切れないほどあります。
これらを見るにつけ、小生などはギデンスやベックのいう後期近代社会が経験する「リスク化」を思い浮かべずにはいられません。とりわけ、彼らの言う「脱埋め込み」状況の到来です。かろうじて残存していた伝統的な絆(伝統の発明?)がもう機能しなくなってきたのであろうか、と思う次第ですが、これについてはいろいろなご意見があろうかと思います。かくのごとく、まだまだ興味深いことがスポーツ界にはありそうに思われることを改めて確認し、当学界の新たな躍進を会員の皆さんに期待いたしたいと存じます。
理事長2期目にあたって
理事長 菊 幸一(筑波大学)
図らずも理事長をもう1期務めることになりました。日本スポーツ社会学会には、私の大学院時代の先輩をはじめ私以上に理事長を務めるにふさわしい人材が数多くおられるはずですが、1期目については3期以上の再選を認めない理事選挙の、いわばハザマにあたったのだとあきらめておりました。ただ、若輩の身であるからこそできることもあるのではないかと半ば開き直り、主に会費値上げの理由であった学会誌の年2回発刊への準備、若手研究者の育成基盤の形成、学会大会の活性化、国際交流の推進等を意識して理事会を運営してきました。ようやく学会誌については今年度から年2回発刊が開始され、若手研究者のセミナーが学会大会で開催されるようになり、また学会大会に国際セッションが設けられるなど、少しずつ変化が生まれてきているように思われます。2期連続して理事長を務めなさいという理事会の意向は、その路線をさらに着実に推進しなさいとの意向と受けとめています。
今期は、各委員会の自主的な活動を尊重しつつ、総体的にはその各成果が学会全体へのシナジー効果を上げられるよう努力していきます。ただ、そのためには各委員会の活動財源を確保しつつ学会誌の年2回発刊を維持するという財政面の難しい舵取りが要求されます。これまで以上に支出を抑えながら、より豊かな成果が上げられるよう工夫していきたいと考えています。今後とも、よろしくお願いします。
事務局長挨拶
事務局長 松田恵示(東京学芸大学)
今期も事務局を預からせていだくことになりました松田です。どうぞよろしくお願いいたします。昨年度までも事務局の役割をよく果たしているとはまったく言えない状況が続いておりますが,今期、様々な変化のある中で,事務局体制をしっかりと構築し,少しでも会員の皆様の研究活動が円滑に進みますように取り組んでみたいと思います。お力添えをいただけますようにお願い申し上げます。
また、今期は事務局次長として、筑波大学の高橋義雄先生にも加わっていただくことになり,東京学芸大学博士課程の宮坂雄悟くん、酒本絵梨子さんの二人に事務局補佐をお願いすることになりました。事務局4名体制でがんばっていきたいと思いますので、重ねましてどうぞよろしくお願いいたします。
基礎研究力の向上を
研究委員会委員長 黒田 勇(関西大学)
今季、研究委員会委員長を仰せつかった関西大学の黒田です。よろしくお願いします。
研究委員会の本年度基本テーマは「基礎研究力の向上」です。
日本スポーツ社会学会も1991年の結成以来、各会員の努力によって、活発な研究活動がおこなわれ、研究の質においても、また研究者交流の量においても大きく発展してきました。そして、近年、スポーツという文化が社会の中で大きく位置づけられるようになり、スポーツ現象の社会学的な研究に対する関心と、社会からの期待はますます高まってきています。
しかし近年、その発展の一方で、社会学というディシプリンが長年にわたって培ってきた方法論、さらに蓄積された知見を十分に活用せず、対象のおもしろさや問題意識にだけに引きずられた研究もみうけられるという批判もあります。
こうした傾向に対し、社会学的な方法論に目を向け、これまでの知見や理論を確認しつつ、さらに国際社会におけるスポーツ社会学の到達点も正しく評価しながら、新たな研究を展開していかなければならないという議論が、改めて学会内においてもなされています。そのような課題をひとことで表現したのが冒頭のテーマ「基礎研究力の向上」です。今年度は、若手研究者のための研究会を組織し、また研究者相互の交流を日常的に深めていくことから始めたいと思っています。よろしくご協力ください。
継続した論文の投稿を
編集委員会委員長 清水 諭(筑波大学)
好き勝手に研究してきた私にとって、2年間の研究委員会委員長に引き続いて編集委員会委員長を任され、戸惑いを隠せないところです。大学を巡る状況は激変し、その職に就くためには審査を有する学術論文数や学位などが採用条件として明確に挙げられるようになりました。そうした中で、論文の1本1本を厳正に審査することは、大変重要な任務を帯びていると自覚しております。
本年度から年間2号体制になり、半年ごとに発行されます。一次審査結果として「C:大幅修正を必要とするため、次号への再投稿を勧める」になられましても、継続的な投稿をお願いしたく思います。思いを込めて書いた原稿に対し、ときに厳しいコメントが付いてくる場合もあるかと思います。しかしながら、査読者のコメントをもとに修正指針をはっきりさせ、チャレンジしていただきたいと思います。一次査読結果の到着から直近の再投稿締め切りまで約3週間、次号論文の締め切りまで、おおよそ4ヶ月となっています。4ヶ月は、すぐにやって来てしまいます。どうか継続して論文を執筆なさってください。
編集委員会では、学術論文のほかに、スポーツ社会学会として魅力的な特集を企画し、あるいはタイムリーなテーマに関する原稿、書評なども展開しながら、学会誌を構成していきたいと思います。また、これまで掲載された論文の英語版アブストラクトをネット上に公開できれば、より大きな貢献ができると思っています。会員の方々には、様々なご意見をいただけますよう、どうぞよろしくお願いします。
新たな「国際的な研究交流」を求めて
国際交流委員会委員長 山下高行(立命館大学)
ここ十数年、本会とともにさまざまな形で国際交流を行ってきました。その縁でいまI・S・S・Aの拡大理事会メンバーも務めているのですが、最近つくづく日本に限らず、「国際的な研究交流」の様相が変わってきたなあと感じます。それは「国際的」と冠される活動がいまや普遍化してしまったという面と、他方で以前のように欧米のメインストリームの議論を追いかけることがなくなってきたと感じられる面とです。96年に大規模な国際シンポジウムを開催した時には欧米のメインストリームの理論フレームを学び、それを相対化しながらも、同時に日本的特殊性なるものも相対化し、ドメッスティクなものを通してグローバルなものに接合していくことを学ぼうとしたものでした。今はどうなのでしょうか?理論フレーム以上に環境や多文化などの問題群を通してナショナルなものとグローバルなもののつながりを求めて行っているのかもしれません。いずれにせよ、ローカルな学問共同体の中ではナショナルなフレームを超える視点を絶えず更新していくことが必要だと思います。その意味で「国際交流」と言うのはさまざまに器を変えながら、絶えずその視点を呼び起こす仕掛けとして大切なのでしょう。微力ながら今期も国際委員会はそのために最大限の尽力できたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
会員の満足度を高める情報提供を!
広報委員会委員長 杉本厚夫(京都教育大学)
今から12年前に本学会のホームページの立ち上げに参画させて頂きました。当時は、学会でホームページを持つのは、まだ珍しかったのを記憶しています。もちろん、インターネットが一般に普及してもおらず、メールも日常化していなかった時代です。
しかし、この12年間でホームページは3代目に入り、会報も「冊子」から「電子」に変わりました。このように情報発信の方法は変わりましたが、そのことによって、情報の質が高まったでしょうか。つまり、会員の満足できる情報を提供しているのかという課題が浮上してきています。
そこで、今回の広報委員会では、ホームページの充実という意味で、各理事にリレーエッセーを書いてもらうことにしました。各理事のスポーツ社会学への熱き思いを語ってもらいます。また、それぞれの委員会のページを開設して、最新の情報を提供していくつもりです。さらに、会員間の情報交換や会員の特典を考えた情報提供も考えております。
広報委員の松尾委員、迫委員と、そして皆さんと共に創っていきたいと考えておりますので、ご意見を頂ければ幸いです。
では、広報の新しい展開をどうぞお楽しみに!
組織
日本スポーツ社会学会 役員等任務分担
会 長 ……… 亀山佳明
理 事 長 ……… 菊幸一
事 務 局 ……… 松田恵示、高橋義雄
編集委員会 ……… 清水諭、中江桂子、佐伯年詩雄、高峰修
研究委員会 ……… 黒田勇、飯田貴子、井上俊、森川貞夫、甲斐健人
国際交流委員会 ……… 山下高行、リー・トンプソン
広報委員会 ……… 杉本厚夫、松尾哲矢
監 事 ……… 東元春夫、生沼芳弘
※各委員会は筆頭者が責任者(委員長)です。
会則
1992年3月30日制定
2004年3月26日改定
2005年3月28日改定
日本スポーツ社会学会会則
第1章 総則
第1 条 本会は日本スポーツ社会学会( Japan Society of Sport Sociology )と称する。
第2条 本会はスポーツに関する社会学的研究を推進し、会員相互の交流を深めることを目的とする。
第2章 事業
第3条 本会は第2条の目的を達成するために次の事業を行う。
1. 国内及び国際的学会大会の開催
2. 研究会、後援会等の開催
3. 機関誌、会報、会員名簿等の発行
4. 研究に関する学際的及び国際的交流の推進
5. 会員の研究に資する情報の収集と紹介
6. 会員相互の親睦
7. その他本会の目的に資する事業
第4条 学会大会は年1回以上開催する。
第3章 会員
第5条 会員の種別は次の通りとする。
1. 正会員:
スポーツ社会学あるいはこれに関連する諸科学の研究者及びスポーツの社会学的研究に関心を有する者は、正会員1 名の推薦に基づいて、理事会の承認を得て、正会員になることができる。
2 . 賛助会員:
本会の目的に賛同しその事業に協力しようとする、理事会より承認された団体及び個人は賛助会員になることができる。
3 . 学生会員:
本会の目的に賛同し、その事業に関心を有する学生は、正会員1 名の推薦に基づいて、理事会の承認を得て、学生会員になることができる。
4 . 購読会員:
本会の目的に賛同し、スポーツ社会学研究を定期的に購読することを 目的とし、理事会により承認された団体及び個人は購読会員になることができる。
第6条 会員は本会が編集刊行する機関誌、会報等の配布を受け、本会の行う事業に参加することができる。
第7条 所定の入会申込書を提出し、理事会の承認を受けた会員は、次の会費を納入しなければならない。
1 . 正会員 : 7,000 円( 年額)
2 . 賛助会員: 20,000 円以上(年額)
3 . 学生会員: 4,000 円( 年額)
4 . 購読会員: 3,000 円( 年額)
第8条 会員で会費の納入を2年間怠った者は、退会したものとみなす。
第4章 役員
第9条 役員の選出
1. 本会の事業を運営するために、正会員の中から次の役員を選出する。
- 会長 1 名
- 理事長 1 名
- 理事 若干名
- 監事 2 名
2. 役員の任期は2 年とし、再任を妨げない。但し、任期終了にも拘わらず次期役員が決定されない場合は、役員決定まで引き続き前役員が会務を代行するものとする。
3. 役員の選出に係わる細部については、理事会において定めた役員選出細則によるものとする。但し、この細則は総会の承認を得ることとする。
第10条 役員の任務
- 1. 会長は本会を代表し、会務を総括する。
- 2.理事長は理事会を総括する。
- 3.理事は理事会を組織し、本会の事業の推進と管理運営など会務を執行する。
- 4. 監事は本会の会務を監査する。
第5章 会議
第11 条 本会の会議は総会及び理事会とする。
第12条
総会は正会員をもって構成し、本会の運営に関する重要事項を審議決定する。総会の議案は、予め会員に知らせなければならない。
第13 条 総会は会長が招集して、毎年1回開催する。但し、理事会が必要と認めた場合、もしくは正会員の3分の1以上の開催請求があった場合は、臨時総会を開催するものとする。
第14条 理事長は理事会を招集し本会運営のために会務を処理する。
2 . 理事会は運営の円滑化をはかるため、常任理事をおくことができる。
第6 章 委員会
第15条 本会の運営を円滑に行うために、次の委員会を置き、理事がその委員長を務める。
1. 編集委員会は、機関誌「スポーツ社会学研究」の編集を行う。
2. 研究委員会は、プロジェクト研究や学会大会のシンポジウム等、研究に関する企画を行う。
3. 国際交流委員会は、国際交流に関する事業を行う。
4. 広報委員会は、会報の発行とホームページの運営等、広報に関する事業を行う。尚、それぞれの委員会は必要に応じて細則を別途定めることができる。
第7章 会計
第16条 本会の経費は、会費、寄付金及びその他の収入をもって支出する。
第17条 本会の会計年度は、毎年4月1日より翌年3月31日までとする。
第18条 決算報告及び予算案は、総会において承認及び審議決定される。
第8章 事務局
第19条 本会の事務を遂行するために事務局を設ける。
第20条 事務局は会長が指名する担当理事の所属する研究機関におく。
付則
1 . 本会則は、総会において出席者の3分の2以上を得た決議により変更することができる。
2.本会の事務局は当分の間、東京学芸大学教育学部 芸術・スポーツ科学系( 東京都小金井市貫井北町4-1-1)に置く。

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