学会長挨拶 松尾哲矢(立教大学)
日本スポーツ社会学会員の皆さんとともに
2023-2024年度日本スポーツ社会学会の会長を仰せつかることになりました。理事長の水上博司先生、事務局長の大沼義彦先生を中心に各委員会の委員となってくださった先生方とともに、2年間、しっかりと務めてまいりたいと存じますので何卒宜しくお願い申し上げます。
この2年間、やるべきことは多々ございますが、「学会とはコミュニティ」であるということを大切にしていきたいと思います。学会とは、研究を柱に集った皆さんであり、年齢、性別や所属に関係なく、学会員というメンバーシップをもった横の関係です。お互いが敬意を払い、研究の成果を学会大会や学会誌で発信し、自由闊達に議論を深める。学会が触媒機能を果たし、会員の皆さんの触発を促す。その基本的なことが大切だと考えています。
なかでも若手会員、学生会員の皆さんの研究促進と発信、交流をさらにはかる必要があると思います。学生フォーラムの活性化、これからの研究を担う会員への研究支援の充実や奨励などがあげられます。現在、前編集委員会のご尽力もあり、学会誌「スポーツ社会学研究」への投稿数が増えてきています。学生会員、若手会員はじめ、さらに多くの皆さんの投稿を期待しています。
研究の推進では、学的深化と現在的課題への多角的なアプローチと分析を通して会員の皆様の研究の触発を促す多様な取り組み、例えば、シンポジウムや研究セミナー、学生フォーラムの研究支援などの進展が期待されます。国際交流という意味では、韓国スポーツ社会学会との新たな研究交流協定を結び、両国間で研究交流が進むことを期待しています。その他、国際的なスポーツ社会学会との連携が望まれます。
また、学会創設30周年を記念した『スポーツ社会学事典』出版プロジェクト事業が、本事典の編集委員会(委員長:菊 幸一、編集幹事:松尾哲矢、西山哲郎、石坂友司、編集委員:26名、編集顧問:8名、出版社:丸善出版株式会社)のもと、100名を超える会員がかかわってくださっています(2024年度出版予定)。本事業は、これまでの学問的成果の発信、本学会の社会的貢献のみならず、この取り組み自体がコミュニティとしての学会の活性化に寄与するものだと思います。
現在、学会員数は、正会員326名、学生会員55名、合計381名(2023年5月10日現在)となっていますが、さらなる会員増に向けた取り組みも重要です。
今後も会員間の交流をはかり、時代的・現場的要請、学問的要請を踏まえ、さらに研究の拡大・深化を進めていける学会とすべく、会員の皆様とともに歩んでまいりたいと存じますので何卒宜しくお願い申し上げます。