2020年12月吉日
日本スポーツ社会学会会員各位
関西学生フォーラム世話人 三谷 舜
2020年度第2回学生フォーラム開催のご案内(第2報)
拝啓
さて、学生フォーラムでは、下記の通り個人研究報告会を開催いたします。例年は関東・関西に分かれて学生フォーラムを開催しておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大により、図らずもオンラインでの研究会開催に関する経験と知が蓄積されております。そこで、今年度はオンライン上での学生フォーラム開催とし、全国の学生会員と個人研究報告を通じた交流を行いたいと思います。お忙しいところ大変恐縮ですが、万障お繰り合わせの上、ぜひご参加下さい。参加を希望される方は、必要事項(下記参照)を明記のうえ、問い合わせ先までご連絡ください。
敬具
記
日時:2020年12月20日(日)13:50 ~ 17:00
方法:Zoomミーティングによるリアルタイム配信・ディスカッション
(申し込みをされた方に、別途アドレスをご連絡します)
内容:①14:00 ~ 16:00 関東学生フォーラム企画
「スポーツとテクノロジーの関係性を問う」
(詳細は下記の「概要」を参照ください)
②16:10 ~ 16:50 個人研究報告会
(1人あたり25分報告15分討論)
発表者:下窪拓也(東北大学大学院文学研究科)
テーマ:政治レジームがスポーツの誇りに与える影響
~ドイツにおける自然実験を通じた一考察
参加申込締切:2020年12月17日(木)
※ 参加希望者は「氏名・所属」を明記し、
下記アドレスまでご連絡ください。
問い合わせ先:mi.tgrits.16@gmail.com(立命館大学大学院:三谷舜)
概 要(関東学生フォーラム企画「スポーツとテクノロジーの関係性を問う」):
Society 5.0が目指すべき未来社会の姿として内閣府によって提唱され、IoT(Internet of Things)やAI(人工知能)、ビッグデータといった科学技術をいかに活用するかが近年よく議論されている。スポーツにおいても、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)やチャレンジシステムなどが導入され、スポーツへのテクノロジー導入の是非が問われている。
スポーツとテクノロジーの関係に焦点をあてた研究を概観すると、スポーツにおける用具や先端技術に着目し、テクノロジーの発展がスポーツにどのような影響を及ぼすのかを探る論考(柏原,2018)や、テクノロジーは「近代スポーツがつくりあげてきた『自然な身体』という身体観」(坂,2016)にどのような揺らぎを生じさせたのかを考察する論考がいくつかみられる(佐伯,2009)。それらの先行研究の一つの特徴は、テクノロジーの発展によってスポーツをする主体が消失していくと主張する点にあるだろう。我々の日常生活は人間の身体と人工物が協働して成り立っているにもかかわらず、スポーツにおいては人間の身体と人工物を切り離すように考えてしまう(渡,2013)のはなぜだろうか。こうした問題意識に基づき、本企画では、スポーツとテクノロジーの関係を問う際に、なぜ人間を中心とする議論に収束するのかについて検討していく。
具体的には、はじめに世話人の平賀(筑波大学大学院)より本企画の経緯と趣旨について、そして同じく世話人の宮澤(筑波大学大学院)より、スポーツ界においてテクノロジーがどのように語られてきたのかについて、先行研究の整理をもとに報告する。次いでテクノロジーの人類学をご専門とされる久保明教先生(一橋大学)より、ブルーノ・ラトゥールが提唱した「対称性人類学」のアプローチに基づいた、身体と人工物を切り離さずにスポーツとテクノロジーの関係性を捉える立場から、なぜ身体と人工物を切り離した人間中心主義的なスポーツ観が維持されているのかについての示唆をいただく。そして、スポーツのなかでもテクノロジーと身体の関係性が特徴的に表出されるパラアスリートに着目し、テクノロジーとスポーツの関係性およびスポーツにおける身体について世話人の中村(立教大学大学院)より報告する。そして最後に、登壇者による総合討論やフロアからの質疑応答を通して、ラトゥールのアクターネットワーク論から示唆を得るとともに、我々はスポーツとテクノロジーの関係性をどのように理解しており、そして今後どのようにその関係性を理解できるのか、議論を深めたい。
登壇者:久保明教(一橋大学)
中村真博(立教大学大学院)
宮澤武(筑波大学大学院)
平賀慧(筑波大学大学院)
担 当:関東学生フォーラム世話人
中村真博(立教大学大学院)
宮澤武(筑波大学大学院)
平賀慧(筑波大学大学院)