日本スポーツ社会学会・研究委員会企画

「教育とスポーツ」講演会

 

演題:平成時代の大学入試改革と学生に期待される“能力”:
スポーツ推薦を取り巻く入試環境の変化を考える
講師:中村高康先生(東京大学大学院教育学研究科)

司会:西山哲郎(関西大学)
日時:92日(火)14時~16
会場:明治大学駿河台キャンパス
    リバティータワー1135教室
(JR御茶ノ水駅下車、徒歩3分、下のサイトの地図を参照)
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html
東京大学教育学研究科の中村高康先生をお招きして開催する本講演の主旨は、平成三年の大学設置基準大綱化以降の入試制度の多様化と2000年代以降の推薦・AO入試枠の拡大によって日本の学生の教育にどういう変化があったのかを知るところにあります。その変化は、高等教育機関に入学を許され、卒業する学生に期待される“能力”の変化と多様化にあるようにも見えます。スポーツ社会学を研究する我々にとっては、こうした教育界全体の変化が学校スポーツに与えた影響が特に気になるところです。
ご承知のように、現在の大学入試制度においては、スポーツ推薦入試に限らず指定校推薦入試やAO入試などでも課外活動での実績が合否判定に活用されています。特に学校スポーツでの実績は、インターハイなど全国大会の整備がなされているため、学力筆記試験以外で能力を測る指標としては比較的客観的に評価し易いものと見なされているようです。
しかしながら、そうした入試で入ってきた学生に対して一般の大学教員や学力入試で入ってきた学生たちの視線は必ずしも好意的ではありません。大学によってはまるで裏口から入ってきたもののように冷たく扱われることさえあります。カレッジスポーツで活躍しながら成績不良で留年、あるいは退学する学生は目立つものですから、教員から否定的な意見が出るのはやむを得ないところもあるでしょう。しかしその一方で、体育会に所属する学生が(様々な支援を受けつつも)最終的に卒業単位を揃えることができれば、一般学生に就職実績で引けを取らず、たとえ「ソルジャー採用」と揶揄されても社会的評価の高い会社への就職を手に入れている現実もあります。
昨今の大学教育には、産業界からの要請として、またそれ以前に厳しい就職活動を勝ち抜くために学生の「コミュニケーション能力」を育てることが求められています。国連の教育機関が提唱した「ライフスキル」や、日本の各省庁が考案した「人間力」や「社会人基礎力」といった新しい能力を育てる方が、学力や研究能力を育てるより重要とみなす人も増えてきました。そんな情勢を踏まえて、学校スポーツには新しい能力観に見合った人材を育てる力があると主張する動きも出て来ています。
旧来の「体育学部」が「スポーツ××学部」に看板を変える動きも、そうした高等教育の変化に対応した動きの一つに数えることができるかも知れません。スポーツを愛する本学会の会員にとって、人間の評価尺度にスポーツ実績を加えてもらえることは喜ばしいことでしょう。しかし同時に、体育会の学生が就活で好成績を挙げられていると言っても、どういう資質が評価されてのことなのかを気にしないわけにはいきません。企業の「ソルジャー要員」として理不尽に耐える力を評価されているのか、それとも勝利に向けて独自に創意工夫を重ねる力を評価されているのか、スポーツ実績を評価するといっても、その中身には大きな差異があります。
 今回のご講演は、入試段階に関するお話を伺うのが主旨ですので、就活以降の展開は聞き手の我々の方で考えるべきことですが、中村先生から現代の大学入試制度と高等教育で求められる“能力”について解説いただくことで、上記のような問題にヒントを得たいと考えています。学会会員の皆様には、ぜひこの貴重な機会にご参加いただきますようお願いいたします。

関西学生フォーラム開催のお知らせ


20146月吉日
日本スポーツ社会学会会員各位
日本スポーツ社会学会学生会員各位
関西学生組織 世話人 佐藤 彰宣
小丸  超
 謹啓
 梅雨の候、皆さまにはますます御健勝のことと存じます。いつも日本スポーツ社会学会関西学生フォーラムにご協力いただき、誠にありがとうございます。
 さて、日本スポーツ社会学会関西学生組織では、下記の通り個人研究報告会を開催いたします。皆さまにおかれましては、お忙しいところ誠に恐れ入りますが、万障お繰り合わせのうえ、ぜひご参加くださいますようお願い申し上げます。
 敬白
日 時:2014712日(14:00
会 場:龍谷大学セミナーハウス「ともいき荘」2階研修室
    京都市営地下鉄「丸太町駅」2番出口から徒歩6
内 容:個人報告と議論
 報告者①:竹村 直樹(龍谷大学大学院博士後期課程)
     「儀礼論による高校野球の分析」
報告者②:佐藤 彰宣(立命館大学大学院博士後期課程)
「『ベースボール・マガジン』の啓蒙戦略―戦後初期における野球雑誌―」
 報告者:小丸 超(龍谷大学大学院科目等履修生)
「超社会化のコーチングに関する予備的考察」
問い合わせ先masarukomaru@ever.ocn.ne.jp(龍谷大学:小丸 超

※終了いたしました。


2014年度関東学生フォーラム(個人研究発表会)

発表者募集のご案内

20146月吉日
日本スポーツ社会学会会員各位
日本スポーツ社会学会学生会員各位
関東学生フォーラム世話人 下竹 亮志
熊澤 拓也
松宮 智生
 日本スポーツ社会学会会員、学生会員の皆様におかれましては益々ご活躍のことと存じます。関東学生フォーラムでは、これまでに引き続き、今年度も学生会員および大学院生の交流と研究活動の活性化をはかることを目的に、個人研究発表の機会を設けていきたいと思います。そこで、2014年度の第1回個人研究発表会を89日(土)に開催する運びとなり、発表者を募集することとなりました。学位論文の構想や投稿論文に向けた発表等、形式は問いません。各大学の枠を越えて、自身の研究に関する議論を深め、論文執筆のための有用な情報交換の場として活用していただきたく思います。日時、場所等につきましては以下を予定しております。お盆前のお忙しい時期かとは思いますが、皆様のご応募をお待ちしております。
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◎ 日時:89日(土)、13時〜18時(予定)
◎ 場所:明治大学駿河台キャンパスリバティータワー、1115教室(予定)
* 上記につきましては、詳細が決まり次第お知らせいたします。日時は発表申し込みの件数により、変更になる可能性があります。 
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 発表を希望される方は720日(日)までに世話人の下竹宛に発表希望の旨をお伝えください。また、ご質問等もお気軽にご連絡ください。
◎ 連絡先
下竹亮志(筑波大学大学院)
E-mailryojishimotake@gmail.com
※終了いたしました。